News 2024.05.28
日本防菌防黴(ばい)学会の第52回通常総会が5月17日に大阪市内で行われ、栄養学部管理栄養学専攻の伊藤智講師が「論文賞」を受賞しました。
同学会は、衣食住に関連する微生物及びそれに由来する物質を制御し、生活環境及び生産環境の向上を図るための科学・技術の発展を目的として活動しています。
論文のタイトルは「カンピロバクター・ジェジュニの調理段階における三次汚染率と除菌・殺菌効果の解明」で、筆頭執筆者の伊藤講師と、伊藤講師が博士課程を修了した名古屋学芸大学の岸本満教授(副学長)との連名で執筆しました。
食中毒事件数の多いカンピロバクター食中毒を予防するために、どのような調理操作で細菌が汚染するか、汚染した細菌を除菌・殺菌するには、どのようにすればよいかを解明しました。
カンピロバクターで汚染された鶏肉を下処理すると、鶏肉に触れた手とまな板、包丁が汚染されます。その手や包丁、まな板で野菜(キュウリ、ホウレンソウ)を切ると、4.5~8.2%のカンピロバクターが野菜に汚染しました。汚染した鶏肉をバットの上に載せるとバットが汚染します。そのバットを殺菌する場合、肉汁をふき取った後、アルコールをかけて60秒置き、ペーパータオルでアルコールをふき取ると菌は完全に死滅しました。
伊藤講師は「毎日の食事は人を健康にしますが、食中毒にかかる恐れもあります。食中毒を予防するために、危険な調理操作、的確な殺菌操作を知っておくことは、管理栄養士にとって重要です。研究で解明したことを学生に伝えて、実践力のある管理栄養士の養成に努めます」と話しています。
日本防菌防黴学会で「論文賞」を受賞した伊藤智講師
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