News 2022.12.01
11月16日、阪神奈大学・研究機関生涯学習ネット(略称HSNネット)主催による公開講座フェスタ2022において、栄養学部の坊池義浩准教授が「血液型はヒトの体でどのような役割をしているの?」をテーマに大阪府咲州庁舎の大会議室で講演し、約50人の方が聴講しました。
HSNネットは本学を含めた大阪府、兵庫県、奈良県の21の大学・研究機関で構成され、生涯学習機会の提供を目的とした組織です。公開講座フェスタは1998年度からリレー形式で行っています。
講座のオープニングでは、血液型に関して「蚊に刺されやすいのは何型?」「血液型と性格は関係あるの?」などのクイズが出され、雰囲気が和みました。
その後、1901年にノーベル賞を受賞したドイツのカール・ラントシュナイターの法則を紹介し、赤血球と血漿にある抗原と抗体の組み合わせによって、ABO血液型に分かれる仕組みをわかりやすく解説しました。
また、O型のヒトはA型より十二指腸潰瘍になりやすく、ある種類のノロウイルスはB型のヒトには感染しないなど、抗原の特性による血液型と病気の関係が示されました。
さらに輸血の歴史に触れ、17世紀にフランス人医師が子羊の血液をヒトに輸血した逸話や、19世紀には妊婦にはじめて輸血に成功した事例を紹介しました。 当時は死亡事故が多く、1900年になってカール・ラントシュナイターがABO血液型を発見し、飛躍的に輸血医療が進展したと説明がありました。
最後に現在の輸血医療に触れ、血液製剤の貯蔵法や疾病、年代別の実態を解説しました。 今後、iPS細胞を使って血小板を作る仕組みが実験段階に来ていることを紹介し、近い将来実用化されるのではと結びました。
受講者の方々は熱心に聴講し、講演後に質疑が飛び交うなど盛況となりました。「血液型という身近なテーマで興味が持てました」「血液型と体の関係がよくわかりました」「iPS細胞に期待を持ちました」など多くの感想が寄せられました。
熱心に聴講する受講者
ABO血液型について講義
輸血についての講義
講義後の熱心な質疑
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